これは力作

これは力作。
「経済オンチ」を自称しながら、これほどの熱意をもって経済学者たちの錯綜する主張に向き合えるのはすごい。

日本の経済に関する論争を「緊縮v.s.拡大/自由市場v.s.社会福祉」の観点からまとめてみる
https://amamako.hateblo.jp/entry/economy_position

以前、このあままこさんとなんばりょうすけさんの間で「(生産性で人をはからない社会にするために)経済成長は必要か」というちょっとした論争があって、それぞれの人間観の違いのようなものも現れてなかなか面白かった。文中にもリンクのある「経済成長を巡ってすれ違う二つの人間観―人は生来「働きたい」ものなのかそうでないのか」を含む数回のやりとりがそれなので、このへんに興味のある人はたどって読んでみたらいいと思う。私はどちらかというとなんばさんの意見に近く、経済成長は必要(というより現状で「経済成長はいらない」と主張することはかなり無責任でリスキー)と考えるが、あままこさんがこだわっている問題のいくつかは無視していいものでもないだろう。
今回の記事では、たとえばベーシックインカムに対して、それはやはりより多く金を稼いでいる者の「施し」のようになってしまうのではないか、という懸念が語られている。同じような懸念から、税制も累進課税よりむしろ消費税が平等でいい、という主張になる。いや、そうじゃない、と反論したくなるなる人はたくさんいるだろうが、どうすればこの人が納得できるような説得力ある反論ができるか、と考えてみることは有効な対話の訓練になるのではないか。